No.341 中島屋の山の幸

 中島屋旅館の食事は,他ではなかなか味わえない山の幸が満載です。
 天然物,地物にこだわった素材を生かした田舎料理です。
 山の温泉宿でズワイガニやアワビを出すようなところもありますが,旅の楽しみは豪華なごちそうではなく,地元の郷土料理にこそあるのではないかと思います。
 素朴ではあるけれど,本物の味。
 昔から食されている昭和村の山の幸を紹介していきます。
No.342 麒麟ラガービール

 と,山の幸を紹介する前に,中島屋のこだわりをもう一つ。
 それは,麒麟のラガービールです。
 スーパードライの登場以来,ビールといえばスーパードライというぐらいどこの旅館もアサヒになってしまいました。
 たぶん昔は,ビールといえば麒麟のラガーだったはずです。
 昔から変わらぬビール,中島屋のビールは麒麟のラガーです。
 もしかしたら,こだわっているのではなく,何のこだわりもなくたまたまずっと麒麟のラガーということなのかも知れませんが・・・。
 中島屋には,麒麟のラガーがよく合います。(大瓶600円)
No.343 マスタケ

 鮮やかなサーモンピンクのキノコです。魚の鱒の肉の色に似ているから「マスタケ(鱒茸)」という名前がついている。
 このマスタケはタコウキン(多孔菌)類。サルノコシカケなどの仲間である。
 小さなうちは食用になる。油炒めやフライが美味しい。
 量が採れるキノコではないので,市場に出ることはない。
 初めて出されて食べたときは,鶏肉なのか鮭なのか判別できなかったほど,キノコらしくない珍味である。
No.344 きゃらぶき

 フキは,あまりにも一般的な山菜なので,説明は不要であろう。
 昭和村のフキは香りが強い。
 スーパーで売っているフキとは別物と思うくらい,味わいのある逸品である。
 保存状態がいいから,一年中いただくことができる。
 日本酒にとてもよく合います。
No.345 ゼンマイ

 山菜の王様といってもよい山菜の代表です。
 手間がかかることから非常に高価で取引されています。
 手間をかけて乾燥させ,水でもどして使用するので,保存食として優れています。
 煮物のほか,油炒め,白和えでいただくことが多いです。
 これまた,中島屋ならではの素朴な味わいの料理です。
 直球勝負といったところでしょうか。
No.346 ワラビ

 ゼンマイと並ぶ山菜の王様です。
 あく抜きをして茹でたものに醤油をたらせば,それだけでご馳走です。
 ビールによく合います。
 歯ごたえとヌメリが何ともいえません。
 標高差や日当たり具合を見ながら収穫すれば,比較的長い期間いただけます。

No.347 ホンシメジと豆腐

 豆腐は地元の昭和村産です。
 なめらかさはありませんが,大豆の味がしっかりします。
 ホンシメジは,「香りマツタケ,味シメジ」と言われるように,キノコのなかでも有数の強いうまみを持つ優れた食用菌として知られています。
 天然物の稀少な高級キノコです。
 汁の味は絶品です。

No.348 イワナの骨酒

 ふつう,旅館でイワナの骨酒を注文すると,安くても千円はするのではないでしょうか。
 中島屋では,二杯目までは無料です。
 ただし,イワナは自分で釣ってこなければなりません。
 三杯目からは,350円です。
 日本酒は会津の栄川です。イワナによく合うお酒です。
No.349 コゴミのマヨネーズ和え

 コゴミは,クサソテツの芽で葉柄全体がゼンマイのように巻いています。
 渓流沿いで容易に採取することができます。
 難点は,収穫時期が短い点です。昭和村ではゴールデンウイークの頃が旬です。
 ほとんどアクがなく,ほのかな芳しい香りとチョットした粘りが特徴です。
 昭和村を代表する山菜だと思います。
 
No.350 ウワバミソウの天麩羅

 山野の杉林の中,渓流沿いなど湿り気のあるところにごくふつうに見られる山菜です。 中島屋では,ミズとかミズナと読んでいます。
 主に,茎の部分とムカゴを食用にしますが,葉も食べられます。
 茎の部分は独特のヌメリがあって美味しいのですが,葉には癖がなく天麩羅向きです。 あっさりし過ぎていて,山菜らしくないため物足りない印象です。
 いつでも大量に採れるのが利点です。

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99.昭和村見聞記(36)中島屋旅館山の幸編1