目次
1 足もとの山を歩く(縫道石山;赤倉岳;久渡寺山 ほか)
2 北の釣り紀行(ぼくのヤマメ釣り;補陀落の岸辺流れる追良瀬川;追憶の渓―作沢川 ほか)
3 失われた風景を求めて(赤石川上流の知られざる沼;遠い北の山並み;岩木山遭難事件 ほか)
ひと言
津軽の山歩き,津軽の釣り,白神山地の人と自然について綴った紀行文集です。
「北の山旅 釣り歩き」(無明舎出版)1994年刊を改題・文庫化した本です。
お酒の失敗談や,同行者の人物紹介などが多く,釣りの本というよりは,津軽の風土を中心にしたエッセイ集のような味わい深い作品です。
特に共感できたのは,著者の釣友には飲酒家が多く,釣行の目的も酒宴と言った方が適切な場合がほとんどという記述だ。著者は,その理由を2つ挙げている。一つは,年齢に伴う体力減退である。もう一つは,「釣りの喜びが釣果に比例するものではないことが体験的に理解できるようになったことである。かりに百尾釣っても喜びは百倍になるものでもないのだ。釣果は,せいぜいその夜の酒肴を飾る程度で十分である。」と述べている。全くその通りである。
こんな素晴らしい本が,ネットの古本で1円だった。(送料が340円だったので実質341円)インターネットの普及で便利な世の中になったものだとつくづく思います。
中央公論新社 (2000/07/25 出版)
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