73.我流ヤマメの釣り方
 一般に,川の最上流がイワナの生息域で,その少し下流がヤマメの生息域と言われています。
 私がよく釣りに行く会津の野尻川は,イワナとヤマメが混生しています。
 地元の方によると,昔はイワナのみで,ヤマメは放流事業で増えたのものだということだが,詳細はわからない。
 この項では,野尻川における私のヤマメ釣りについて述べていきたい。
 私の専門は,イワナ釣りである。
 しかしながら,イワナとヤマメが混生しているわけであるから,当然ヤマメが釣れることもある。
 あくまでも,私の場合,イワナ狙いであるから,ヤマメが掛かったときは,ヤマメを釣ったというよりヤマメが釣れてしまったという表現が正しい。
 イワナとヤマメが混生しているといっても,潜んでいる場所は,微妙に違う。
 イワナのポイントにエサが送り込めなかったときに結果としてヤマメが掛かってしまうということだ。
 つまり,下手だということだ。
 イワナは,どちらかというと目の前にエサが来ないと喰わない傾向にある。だから,オモリを重くして,ピンポイントで竿を出す。エサは流さない。
 ところが,技術の無さで,エサが流れてしまうときがある。
 そんなときにヤマメが掛かってくるのだ。
 ヤマメは,どちらかというと自然に流れてくるエサをかなり遠くからでも追ってきてエサに喰いつくように思う。
 自然に流れてくるというところが大切で,ヤマメを狙うならオモリは軽くすべきだろう。
 ということは,私が釣るヤマメは,不自然なエサの流れでも喰いつくような,よほど空腹のヤマメなのだろう。
 イワナとヤマメでは,エサの喰い方にも違いがある。
 イワナは,目の前のエサをゆっくりモグモグ時間をかけて飲み込む。したがって,アタリがあっても早合わせをするとバラしてしまう。ときには,アタリがあっても1分ぐらいは合わせない。
 それに対して,ヤマメの方は,早合わせが原則である。
 ヤマメは,一気にエサに飛びつくけれど,ハリスなどの違和感を感じると瞬時にエサを吐き出してしまう。
 大物ほどその傾向が強い。
 私の狙いはあくまでもイワナなので,ヤマメだとどうしてもエサを吐き出されてしまう。
 運良く釣れても,スレであったり,上あごに針が掛かっていないことが多い。当然,バラシも多い。
 40オーバーのヤマメを何度バラしたことか・・・。
 イワナは獰猛なのでバラしても再チャレンジすればエサを喰ってくるけど,ヤマメはそうはいかない。
 一度バラすと,警戒心が強く,二度と喰ってはこない。
 そういうときは粘らないで,日を改めた方がよい。
 私がヤマメ釣りをやらないのは,「イワナより難しい」ということが一番の理由だ。
 これまで述べたように,イワナに比べヤマメ釣りは,エサの流し方や合わせ方などハイレベルな技術が必要だ。残念ながら私には,その技術がない。
 さらに,ヤマメが掛かってから取り込むまでのファイトぶりは,イワナの比ではない。同じ大きさならイワナの方が取り込みは格段に楽である。
 近年は,本来ヤマメのいない沢にも,稚魚が放流されていたりする。
 イワナのポイントにエサが落ちる前に木っ葉ヤマメがエサを引っ張り回し,その間にターゲットのイワナは隠れてしまうというようなことがしばしばある。困ったことである。
 最後に,もうひとつヤマメ釣りをしない理由。
 骨酒はイワナに限ります。ヤマメの骨酒は美味しくありません。

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