やっと(4)まで来ました。
ずいぶん間があいてしまったのには理由があります。
物忘れがひどいので何でもメモをする癖があるのだけれど,今回の話を進めるにあたってメモを探したのだが,メモが見つからなかったのです。
とにかく物忘れがひどいので,メモをどこにしまったかも忘れてしまったのだ。
何のためのメモなのか困ったことです。
でも,ご安心下さい。
やっとメモは見つかりました。
それでは,話を進めます。
前回の続きですから,初めてブルーギルが釣れた後の話です。
前回までの話を読んでいない方は,(3)を是非読んでください。
そうでないと,唐突に話が始まることになってしまいます。
よろしくお願いします。
それと,(3)は,ずいぶん昔に読んだので忘れたという方も,是非もう一度読んでください。
今回初めて,いきなり(4)にアクセスした方は,たいへんでも(1)から読み直してみることをお勧めします。
そうでないと話の流れがわかりません。
という私も,前回までの話を忘れているので,(1)から読み直してみました。
物忘れがひどいのは困ったことです。
それでは,本題に入ります。
メモによれば,1991年11月30日の出来事です。
釣りを始めて,早2ヶ月。
頻繁に小貝川に通うものの釣れたのは,未だにブルーギル1尾のみ。
何とも情けない釣果ですが,ついに私にも大変な出来事が起きたのです。
冬も近い晩秋の夕暮れ時です。
ところは牛久沼の房内橋近く。
正式名はわかりませんが,地元の人は,「ぼうちばし」とか「ぼーじばし」と呼んでいます。
訛りがそのまま呼び名になっているようです。
まあ,そんなことはどうでもいいことです。
あまりにも大変な出来事だったので,早く話が進めたくなってきました。
でも,焦ってはいけません。
焦らず,順序よく話を進めたいと思います。
「うーやん」に無理矢理釣りに連れて行かれ始めた鯉の吸い込み釣り。
最初は,二人で出かけていたのですが,強引さが売り物のウーやんは,どんどん仲間を誘い,鯉釣り仲間がずいぶん増えていました。
そして,主戦場も釣果の芳しくない小貝川から,仕事場に近い牛久沼に変わりました。
この日のメンバーは,ウーやんと私,菊ちゃん,青井さん,ノリさん,ヨシヒロさんの6人でした。
初登場のメンバーを紹介します。
まずは,菊ちゃん。菊ちゃんは,日立の海沿いで育ったそうで,海釣りの経験が豊富です。鯉の吸い込み釣りは私と同じ初心者ですが,幼い頃から釣りは好きだったようです。こっちに来てから釣りでもやってみようかなと,たまたま牛久沼でバス釣りをやってみたら監視員に入漁料を取られたとガッカリしていたことがありました。後にも先にも牛久沼で入漁料を支払ったのは知る限りでは菊ちゃんだけです。不運な方です。
と,ここで今思い出したのですが,ウーやんも監視員に声を掛けられたことがあります。
いつだったかは忘れたけど,ウーやんと牛久沼で毎日のように釣りをしていたある日のこと。
「あんた,いつも釣りに来ているねー。わし,監視員やってるんだ。」
「・・・・」
ついに,入漁料取られるのか,と構えるウーやん。
「あんた暇だったら,監視員やんねえか。漁協もみんな年とっちゃって歩けねんだよ。」
ちょっと心の揺らいだウーやんであった。
話を戻しましょう。
メンバー紹介の続きです。
次は,青井さんです。青井さんは,釣りのベテランです。子供の頃から近くの川で,ヤマベの毛針釣りや,鯉の吸い込み釣りをやっていたそうです。キャリアも長いけど,釣りキチぶりも半端ではありません。新婚旅行も海外まで釣り竿持って行くし,みんなで北海道にスキーに行ったときもスキー板を持って行かないで釣り竿を持って行くし,釣りキチ伝説は数えたらキリがありません。このまま伝説を書いていくと,ますます話が進まなくなるので,青井さんの紹介はこの辺でやめときます。
ノリさん。ノリさんは,へらブナ釣りの経験が豊富です。鯉の吸い込み釣りは私と同じ初心者ですが,へら釣り師にとって鯉の吸い込みは,あまりにも簡単すぎるようです。いつもニコニコしていて,笑い声も人一倍でっかいノリさん。今頃どうしているのかなあ。ご無沙汰しています。
最後は,ヨシヒロさん。彼も私と同じ釣りは初心者です。職場では,ウーやんのダジャレ仲間で,二人は漫才コンビのようです。仕事中もダジャレを考えているようです。下ネタも多いです。初心者ながら研究熱心で,エサは乳酸菌入りの「鯉武蔵」がいいとか,ニンニク入りがいいとか,とにかくエサにこだわっておりました。ちなみにウーやんは,エサは「大ごい」,青井さんは,「鯉パワー」を気に入って使っていたようです。
わたしも「鯉パワー」がお気に入りでした。
メンバー紹介が長くなってしまいました。
話を11月30日に戻します。場所は,房内橋近くです。
「ぼうちばし」とか「ぼうじばし」と言います。
それは一度書きました。
夕暮れ時です。
皆さんぽつぽつと鯉が釣れています。
相変わらず,私の竿は反応なし。
そのときです。
私の竿先につけた鈴が鳴り出しました。
ついに来ました。
ぐっと合わせて,リールを巻きます。巻きます。巻きます。巻きます。
巻きます。巻けません。巻きます。巻けません。
何だかとてつもなく強烈な引きです。
リールを巻こうにも巻けません。体ごと沼に引き込まれそうです。
でかい。でかい。とてつもなくでかいです。
「助けてくれー!」
あまりの異常事態に,ウーやんとノリさんが来ました。
大きな鯉が掛かったようです。
とても引きが強く,一人で竿を持っていることができません。
ウーやんとノリさんが体を支えてくれました。
釣り上げるまでの時間の長かったこと。実際には数分だったと思うのですが,感覚的には20分ぐらいやり取りしていたように思いました。
ついに,鯉を釣り上げました。
鯉です。
鯉です。
恋いこがれていた鯉です。
ブルーギルではありません。
ついに釣れたのです。
しかも大鯉です。
釣り仲間の誰も釣ったことがないような最大の鯉です。
体長を測ったら,82センチありました。
「すげーなあ。」「やたねー。」「おめでとう!」
仲間の祝福のお言葉です。
でも,心の中は,きっと「ビギナーズラック・・・」に違いありません。
まあ,何と思われようと,釣れたことには代わりはありません。
めでたし。
めでたし。
で,イワナはどうしたかというと,まだまだ先のお話です。
もう少し,お付き合いください。
それでは,今回はこの辺で。
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