105.昭和村見聞記(42)中島屋旅館山の幸編6

No.401 コウタケの佃煮

 中島屋の朝ご飯に必ず出てくるコウタケの佃煮です。コウタケは,担子菌類,サルノコシカケ目イボタケ科の食用キノコです。高さ10〜20センチ10〜20センチ,傘は径7〜15センチ,漏斗形で中央は茎の内部まで深くくぼみ,全形はらっぱに似ています。秋,雑木林の地上に列をつくって群生します。乾くと強い芳香を放つ。香り高く,味もよく,きわめて珍重されています。近縁種にシシタケがありますが,正確にはどちらのキノコなのかは不明です。どちらにしても中島屋の顔とも言える逸品です。

No.402 ソバの花天麩羅

 昭和村は,矢ノ原蕎麦の産地としても知られています。原発事故の影響でしょうか。山菜の採取制限で食材が不足しているのか,それとも中島屋のおばちゃんのアイデアなのでしょうか,珍しいソバの花の天麩羅です。たいていのものは,天麩羅にすればいただけますが,これはかなりの変わり種です。特に特徴的な味はありませんが,いかにも中島屋らしい一品でした。
No.403 ドクダミ,コウタケの天ぷら

 画像右の黄緑色の天麩羅がドクダミの葉です。左奥の黒い天麩羅がコウタケです。ドクダミを初めていただいたときは,驚きました。これは何の天麩羅か訊いてみると,食べてのお楽しみとおばちゃん。口に含めばすぐ分かる,独特の香りには参りました。薬草だから,体によいそうですが,好みは結構分かれそうです。コウタケの天麩羅も,珍しいです。歯ごたえがあって美味しかったです。
No.404 ワラビのニンニク漬け

 いつもはお浸しでいただくワラビですが,ニンニク漬けをいただきました。これは絶品です。ニンニク醤油に漬け込んだ味わい深い一品です。ワラビの野性的な香りと独特の歯ごたえがニンニク醤油でまろやかになり,おつまみには最高です。日本酒にもビールにも合います。酒飲みにはたまらない旨さでした。
No.405 フキノトウの味噌汁

 春の香りいっぱいのフキノトウの味噌汁です。具は,フキノトウを刻んだだけのシンプルな味噌汁です。中島屋自家製味噌との相性が抜群です。お酒のあとのシメに最高の一品です。フキノトウをさっと湯通しして冷凍しておけば,自宅で楽しむこともできます。おばちゃんから教わったフキノトウの楽しみ方です。
No.406 ヤマブドウの天麩羅

 中島屋旅館の天麩羅は,定番の美味しさもありますが,たまに出てくる旬の山菜も魅力です。今回は,ヤマブドウの若芽です。小さな青い実は,微かな酸味があってなかなかの珍味でした。家庭でいただけないこんな珍しい天麩羅がいただけるのも中島屋の魅力です。毎回,中島屋の天麩羅からは目が離せません。エビ天は出ませんが,山のものへのこだわりがいいのです。
No.407 葉ワサビ

 通常,根の部分を食するワサビですが,葉や茎もワサビの香りが爽やかでとても美味しいです。沢沿いに見られるワサビですが,昭和村ではなかなか見つけることができません。もっとも,釣りに集中していることが多いので,あっても気づかずにいるだけなのかも知れませんが。ピリリと鼻に抜ける爽快感,瑞々しさが何ともいえません。
No.408 ハリギリの天麩羅

 展開したばかりの芽は同じウコギ科のタラノキやコシアブラ,ウドなどと同様に山菜として食用にされます。見た目は近縁のタラノキの芽に良く似ていますが,苦味やえぐみとして感じられるあくがやや強いです。そのためタラノメと区別して食用にしない地方もあるそうですが,私は,タラノメより好きです。苦みが天麩羅にはぴったりです。
No.409 根ワサビ

 根ワサビは,山ワサビとも言います。寒さに強いアブラナ科の植物で,「わさび大根」とも呼ばれています。学名は「ホースラディッシュ」,和名は「西洋わさび」です。東ヨーロッパが原産で,日本では,明治時代に食用として導入されたそうです。擦りおろすと,粘り気は少なくシャープな辛味が特徴のワサビです。醤油をたらせば,それだけで御飯のおかずになります。

No.410 自家製こんにゃく

 中島屋旅館のおばちゃん手づくりのこんにゃくです。なめらかさに欠けますが,弾力があって素朴な味わいは,既製品に負けません。こういった本物が味わえるのが中島屋旅館の魅力です。ここだけでしか食せない山の幸,スーパーマーケットでは買えない,愛情いっぱいのお料理です。

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