No.391 ゼンマイの白和え

 山菜の代表格としてワラビと並び称されるゼンマイですが,すぐに食べられるのは,芽が出たばかりの若芽に限られるようです。通常は,あく抜きをしたり,天日干しにしたり,手揉みしたりと相当な手間暇をかけて,保存食として利用します。手間がかかることから,釣りの合間にちょっと収穫して食べようか言うわけにはいきません。手間がかかる分,高価で取引されているゼンマイですが,個人的には高いお金を出してまで食べたいとは思いません。なかなかいただけない山菜ではありますが,保存食としての価値のように思います。
No.392 サクラシメジ

 サクラシメジは,ワイン色の美しいキノコで一か所で発見できれば周囲に群落をつくっている場合も多いので収穫量も期待できるキノコです。キノコ採り初心者向けのキノコだそうです。サクラシメジは匂いや味が穏やかで,少しほろ苦いのが特徴です。料理に用いるとこの苦味が絶好のスパイスの役割を果たし,サクラシメジの持ち味をさらに深めてくれるようです。塩漬け保存をすれば独特の苦味が抜けて味がマイルドになるそうで,中島屋では,年間を通していただけます。
No.393 ヤマメの唐揚げ

 ヤマメとイワナの釣り方は,アワセのタイミングが若干異なります。イワナのつもりで遅アワセでヤマメが掛かると,釣り針を飲んでしまうことがあります。そんなチビヤマメは,可哀想ですがリリースできません。中島屋に持ち帰り,唐揚げにしていただきます。大きなヤマメなら塩焼き,小さなものは唐揚げが美味です。好みにもよりますが,私は唐揚げはイワナ,塩焼きはヤマメが好きです。
No.394 千本シメジ

 生えているところがお釈迦様の頭に似ている事から,シャカシメジとも言います。白水晶と称されるほど,天然物では滅多にお目にかかれない希少なキノコだそうです。キノコを見分けられない私には,雲の上の存在です。小さなキノコが一つの菌塊から何十本もぎっしりと密生しています。今では栽培物もありますが,天然物にこだわる中島屋ならではの逸品です。当然,いつもいただけるわけではありません。運がよければ出会える,そんなキノコです。
No.395 ホウキタケ

 ホウキタケは,私のような素人でもすぐに区別が付くキノコです。その名の通り,箒のような形をしています。昭和村でも,比較的収穫しやすいキノコのようです。ただ,ホウキタケには種類も多く,軸のしっかりした薄紫色のもの以外は,弱い毒性があるようです。中島屋でも,珊瑚状の黄色やオレンジ,ピンクのホウキタケは毒キノコといって食用にはしないそうです。食感のしっかりした美味しいキノコです。
No.396 ショウゲンジ

 所謂雑キノコです。雑キノコは,お店で売られることはありません。逆に言うと,味は今一つかも知れないけれど,滅多に口にできない貴重なキノコということです。ショウゲンジは,香りには特別なものはありませんが,歯切れや口当たりがよく,収量が多いことから,各地で食用として利用されているそうです。ショウゲンジの名前の由来は,信州か岐阜あたりのお寺の名前だとか。このキノコが大好きな坊様がいて寺の名前がキノコの名前になったとされています。雑キノコとはいっても,なかなかいただくことができない貴重なキノコだと思います。
No.397 ムキタケとナラモダシ

 ムキタケは,風味にくせがなく,収量もまとまりやすいため,山里では食用きのことして広く利用されています。傘は扇形に開き,ブナやミズナラの倒木や枯れ木に重なり合って生えます。毒茸のツキヨタケと紛らわしいので注意が必要です。ムキタケの名はキノコの表皮がつるっとむけるところからつけられたようです。
 ナラモダシは,一般にはナラタケという名で親しまれています。針葉樹や広葉樹の切り株や枯れ木に群生します。傘の表面は淡黄色から褐色とさまざまです。鍋物,味噌汁,酢の物,塩蔵して保存食など様々な調理法があります。ただ,生で食べると中毒を起こす成分を含むので食べ過ぎには注意が必要とのことです。
No.398 ホウキタケとシメジ

 シメジは,「におい松茸,味しめじ」と言われるように,日本の野生食用キノコの双璧です。このホンシメジは天然物で,栽培物のブナシメジとは別種です。中島屋のキノコは全て天然物で,香りや味が栽培物とは比較になりません。スーパーで売られているキノコは,ほとんどが工場で作られています。山の恵みを感じません。本当の山の幸をいただけるのが中島屋のよいところです。禁漁期になると,中島屋が恋しくなります。
No.399 アミタケ大根おろし

 アミタケは,初夏から松林で収穫できる比較的採りやすいキノコです。に生息するきのこの中で最もポピュラーなきのこで、発生量も多く、各地で広く利用されている。独特の粘性があり,野生の食用キノコとしては非常に人気があります。粘性を生かし,そのまま味噌汁に加えたり,茹でたものを大根おろし和えなどにするほか,煮物や鍋物などに加えたりすることもあるようです。お湯に通すと鮮やかな濃い赤紫色になるので,私は,彩りよいおろし和えがお気に入りです。
No.400 カノシタ

 カノシタは,傘の裏に特徴があります。ヒダが無く,針状の突起が多数あるので見つければすぐ分かりますが,なかなか見つからないキノコのようです。フランス料理にも使われるそうで,油で炒めると実力を発揮するキノコのようです。昭和村でフランス料理というわけにはいきませんが,上品な味わい深い一品でした。上品すぎて,酒の肴にはならないかも知れません。貴重なキノコだけに,じっくりといただきたいものです。

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104.昭和村見聞記(41)中島屋旅館山の幸編5