011 ゼンマイ採り

 宿泊していた旅館で聞いた話だが,3日ぐらい前に死亡事故があったという。
 ある夫婦がゼンマイ採りに行って,奥さんの方が60メートルほど崖を落ち,亡くなったそうだ。
 ゼンマイは岩場に多くあるのでときに命がけだという。
 山菜採りの死亡事故は毎年のように起こっている。
012 昭和温泉

 初めて昭和村へ行ったのは,1993年だ。
 昭和温泉に泊まった。
 ここは,テレビ番組で知ったのだが,1泊6000円と安く,村営なので宣伝もしてないそうだ。
 素朴な公共の宿だった。
 7人で行ったので,大広間を部屋として使わせていただいた。
 学生時代の合宿のようで気分が良かった。
013 しらかば荘

 昭和温泉の発見は比較的新しく,地質調査をやっているとき偶然発見されたらしい。
 無色無臭のお湯で,少し温めだ。
 そのため温泉という感じはあまりしない。
 タイル張りの浴室は,銭湯といった感じだ。
 この宿は,中向にあり「しらかば荘」という。
014 中島屋旅館

 次の年も,昭和村へ釣りに出掛けたが,「しらかば荘」が満室だった。
 JTBの紹介で下中津川にある「中島屋旅館」に泊まることになった。
 この旅館との出会いが,昭和村へ通うきっかけとなった。
 そのきっかけというのは,宿の玄関に貼ってあるイワナやヤマメの魚拓だった。
 自分たちもこんな大物を釣りたいという欲で通うようになったのだ。
 しかし,いつまでたっても大物は釣れなかった。
015 赤目イワナ

 2度目に昭和村へ行ったとき,A氏が,34センチのイワナを釣り上げた。
 そのイワナは,片目が赤かった。
 みんなから,「片目が病気で餌が見えなかったから釣れたんだろう。」と言われたが,我々釣りクラブでは初の大物である。
 中島屋では,30センチ以上を魚拓にしてくれる。
 今でもその赤目は,我々釣りクラブの歴史として,中島屋の玄関に飾られている。
 
016 虻

 沢に入ると虻の大群に襲われることがある。
 虻は,梅雨明けに大発生し,お盆過ぎに少なくなるという。
 熱や黒いものに集まるというが,その数は何百何千という数で,空気中から湧いて出できたような錯覚を覚えるほどすごい。
 防虫ネットをかぶると釣りづらいし,車の中が虻だらけになってしまうので,この時期は釣りに行かないことにしている。
 
017 落とし穴

 4月,解禁当初,沢沿いを歩いていると,樹木の上に積もった雪のせいで,木と木の間が雪の落とし穴になっていることがある。
 何度かはまってしまい難儀したことがある。
 中島屋のおばちゃんによると,出られなくなって死ぬ人もいるという。
018 昭和中学校

 昭和村には,中学校が1つしかない。
 昭和中学校だ。
 ある時,中学生に「生徒は何人ぐらいいるのか。」聞いたところ,43人と答えた。
 村全体で43人だ。
 校舎は新しく立派で,食堂もある。
 かつては,冬は雪が多いところなので,生徒たちは寄宿生活を送っていたそうだ。
 今は,スクールバスで通えるようになったそうだ。
019 小学校

 小学校は,下中津川の昭和小学校だ。
 これも,村唯一の小学校だが,かつては喰丸や野尻にも小学校があったようだ。
 今でも廃校となった木造校舎が残っている。
 小野川には,小学校と中学校が一つの校舎になった分校がある。
 
020 舟鼻峠

 舟鼻峠の冬季閉鎖は,例年ならゴールデンウイークには解除になっている。
 峠のピークにはまだ雪が残っているけれど。
 4月解禁当初は,当然通行止めなので,東京方面から昭和村へ行くには,磐越道を会津坂下まで走り,国道252号線を南下して金山町より入らなければならない。
 高速代はかさむし,とても遠回りだ。
 トンネル工事は思うように進まないらしい。
04.昭和村見聞記(2)