001 はじめに 福島県の昭和村で見たり聞いたりしたことを思いつくままに記してみました。 昭和村の住人ではないので,事実と異なることがあるかもしれません。その点はご容赦願います。 なお,写真は,昭和村や会津の風景を載せました。駄文に彩りを添えるための写真なので,直接本文とは関係ありません。 |
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002 昭和村 初めて昭和村を訪ねたのは,釣りが目的だった。 そのうち,だんだんと,昭和村そのものが好きになっていった。 地方都市に住む自分にとって,昭和村はふる里のようなところだ。 どんなに仕事で疲れていても,金曜日の夜には車を走らせ出掛けてしまう。 5時間かけて200キロ,日常からの脱出を図る。 |
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003 位置 福島県大沼郡昭和村は,田島町から舟鼻峠を越えて,車で約30分。金山町の会津川口からも車で30分の国道400号線と野尻川に沿った村だ。 下郷町,只見町,南郷村とも接している,山間の僻地である。 観光地にも乏しく,主要道もないので,知る人も少なく,地図を開いてもらわないことには,位置も説明しにくい。 |
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004 地形 東西17キロ,南北22キロの昭和村は,ほとんどが山である。 最も高いところは,海抜1482メートル,低いところでも,海抜400メートルある。 村内を,野尻川,玉川,滝谷川の3つの河川が流れ,それぞれの川の間に峠がある。 ふつう,峠を越えると行政区画も変わるものだが,昭和村は峠を越えても昭和村なのです。 |
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005 集落 集落は,3つの川沿いの狭い平地に形成されている。 玉川沿いに,大芦。滝谷川沿いに小野川。メインの野尻川沿いには,国道400号線に沿って上流から,両原,喰丸,佐倉,下中津川,中向,野尻,松山といった集落がある。 国道400号線から,大芦や小野川に行くには,峠を越えなければならない。 別の村のようでまとまった感じがしない。 |
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006 交通 昭和村には鉄道がない。 最寄りの駅は,会津鉄道の会津田島駅かJR只見線の会津川口駅ということになる。 どちらの駅も車で30分はかかる。 乗り合いバスは,田島〜松山間と大芦〜川口間の2系統,1日数本走っている。 以前は,会津交通のバスだったが,今は民間では成り立たず,村営のバスになっている。 朝夕以外,乗客を見ることは稀である。 |
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007 歴史 昭和村は,昭和2年に野尻村と大芦村が合併して誕生した村だ。 昭和時代にあやかって付けた村名なのだろう。 世界規模の大事件が起きても,この村だけは何も変わらないような気がする。 静かに,ゆっくり,時間が流れていく村なのです。 |
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008 気候 昭和村は,豪雪地帯だ。 渓流釣りのシーズン以外行ったことはないけれど,そうとう雪が積もるらしい。 4月の解禁当初も雪の中の釣りになることがある。 夏,日中の暑さは関東と変わらない。それでも,朝晩は冷え込み長袖が必要なこともある。 旅館の親父さんは,「うちの旅館は天然クーラー付きだ。」などと言って冷房がない。 |
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009 人口 あるテレビ番組で昭和村の紹介をしているのを観たことがある。 番組では,20年後に人口がゼロになる村と紹介していた。 現在の人口が約3000人で,毎年150人ずつ人口が減っているから20年後にはゼロになるという。 もちろんバラエティ番組でのことだが,ドキリとする内容であった。 平成12年の人口を調べたら約1700人だった。 今は,何人ぐらいになっているのだろうか。 |
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010 産業 昭和村の主な産業は,農業(特にかすみ草の栽培)や林業だろう。 観光が産業にならないところが痛いところだが,変に観光地化するよりはいいと思う。 それと目に付くのは,道路工事や河川工事などの公共事業だ。公務員の姿も目立つ。 それだけ産業がないということなのだろう。 |