概要 那須湯本温泉は,630年頃の開湯といわれています。郡司の狩野三郎行広が狩りの途中,射損じた白鹿を追いかけ深い谷に分け入ったところ,温泉に浸かって矢傷を癒している白鹿を見つけ,この温泉を鹿の湯と名付けたとのことです。 共同浴場「鹿の湯」の下流には,中小規模の温泉旅館,民宿が点在しています。主な旅館は通り沿いにありますが,雲海閣は,通りに沿った山側の道沿いにある温泉宿です。自炊専門ということで,那須湯本では異色の存在となっています。古い宿ですが,2つの源泉を楽しめる温泉ファンには人気の温泉です。 |
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建物 建物は木造2階建てで極めて古いです。私の好みです。全体的に硫黄成分にやられてしまって痛んでいる感じです。玄関を入ると,帳場があり,広い炊事場,その奥が客室になっています。少し下がったところに,奥の沢噴気泉を引いた浴室があります。母屋は高台にありますが,鹿の湯を引いた浴室は,長い階段を下りたメイン通りに面した別棟になっています。こちらには,休憩室もあるようです。 |
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客室 建物は古いですが,部屋はとてもきれいです。今回は,1階の竹の間でした。8畳に踏み込み,テーブルが置かれた2畳,ファンヒーターと鏡台が置かれた1畳,床の間とかなり広いです。 内壁に少し剥げたところもありますが,大切に管理されている印象です。浴衣,丹前,歯ブラシ,タオル,お茶セット,温泉まんじゅうも用意されています。室内には,金庫,デジタルテレビ,ティッシュボックスなど,きちんと整っています。 |
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部屋からの眺め 窓を開けると,山々や温泉街が一望でき景色もいいです。道路から離れているので,とても静かです。 |
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炊事場 那須湯本には珍しい自炊宿なので,自炊スペースが広く設けられています。冷蔵庫,製氷機,電子レンジ,コンロ,オーブン,食器,お皿やコップ,調味料など,自由に使ってよいそうです。今回は,調理はしなかったので,冷蔵庫のみ使わせていただきました。 |
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流し 部屋には水回りがない分,廊下のあちこちに流しがあります。とても便利です。 トイレは,共用の和式水洗で,やはり硫黄にやられているのか故障中のところが結構ありました。特に不自由は感じなかったです。 |
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浴室1 上の棟には,奥の沢噴気泉を引いた男女別の浴室があります。かなり老朽化がひどく,浴槽のタイルは剥がれてなくなっているところが多いです。設備全体が硫黄にやられて,荒れ果てた感じです。ただ,浴室の清掃はキチンとされているようで,不快感はありません。お湯は,無色透明のお湯で,激熱でした。掛け流しですが,湯量はそう多くはないようです。多いと熱くては入れないので調節しているのだと思います。 |
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トンネル廊下 下の浴室に行くには,帳場横の階段を下っていきます。通路は,部分的にトンネルになっています。このトンネル,壁の塗装が剥がれ,暗くて不気味な感じです。この雰囲気は,温泉マニアにはたまらないでしょう。普通の人なら引き返したくなってしまうようなトンネルですが,私は好きです。 |
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階段 トンネルを抜けると今度は木の階段です。長い階段をひたすら下りていきます。木造の階段は湯治場のような情緒があっていい雰囲気です。福島の不動湯温泉などこの手の階段を下りていくパターンは,いい温泉が多いです。浴室は,高台からこの階段を下りたところに別棟であります。 |
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浴室2 こちらの浴室は湯治場風情たっぷりです。窓はきちんと閉まらず,硫化水素の換気にはちょうどいい感じです。この浴室も硫黄成分で痛みが激しいです。木の浴槽は二分割されていて,湯口の棒で湯量を調整するようになっています。湯の花たっぷり透明の熱い湯と,綺麗に白濁したぬるめのお湯と両方楽しめます。昼間は,日帰り客が多いですが,朝晩は誰もいない静かなお湯を堪能できました。 |
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泉質 鹿の湯・行人の湯 混合源泉 酸性・含硫黄-カルシウム-硫酸塩・塩化物温泉(硫化水素型) 68.4℃ ph2.5 |
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食事 自炊宿ですので,食事はありません。 湯上がりのビールがあれば十分です。 一応,自炊は面倒なので,コンビニでつまみ類を仕入れて空腹に備えます。 |
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陣屋 外食であれば,5分ほど歩きますが,陣屋がおすすめです。 定食メニューもある居酒屋です。 |
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データ 所在地:栃木県那須郡那須町湯本33 JR那須塩原駅か黒磯駅より東野交通・那須湯本・那須ロープウェイ行バスで 「湯本一丁目」バス停下車徒歩3分 電話:0287-76-2016 料金:素泊まり4800円(税込み) 日帰り入浴:8:00〜21:00 客室数:10室(30名) 「温泉案内」に戻る |
那須湯本温泉「雲海閣」(2015年10月3日宿泊)