概要

 元湯温泉は,塩原温泉発祥の地です。かつては,元湯千軒と呼ばれるほど,栄えていたそうです。寛永 中(1624〜)には,家が大小ともに85件うち,32件の宿が並び宿の並ぶ通路には8つの湯があったそうです。そんな元湯も万冶2年(1659年)の山津波により崩壊。家主は,それぞれに移住し,現在は元湯には3軒の旅館のみが存在しています。
 大出館は,大正12年創業,「日本秘湯を守る会」の会員宿です。

部屋

 今回宿泊したのは,2階の205号室です。見晴らしのよい部屋です。
 和室8畳に4畳の広いベランダ,バストイレはありません。
 ドアが重い鉄のドアでアパートの玄関のようです。
 テレビはかなり古いブラウン管テレビでした。
 大型の2ドア冷蔵庫があり便利です。
 ベランダには小さな洗面台もあります。
 バスタオルやティッシュペーパー,金庫等あるべきものがないのが欠点ですが,ほぼ快適に過ごすことができました。

部屋からの見晴らし

 大出館は3階建てで,高台にあり,フロントは3階にあります。
 客室は,1・2階にあり,玄関を入るとエレベーターで降りる造りになっています。浴室は1階にあります。
 部屋数は,8畳から12畳の和室で,トイレ付き7部屋,トイレなし19部屋の計26部屋です。
 中規模の温泉旅館です。
 チェックインが13時と早いため,のんびり過ごせます。
 

浴室

 浴室は4カ所,計8つの湯船があります。
 この浴室は,墨の湯(五色の湯3号源泉)と鹿の湯(御所の湯源泉)を引いた浴室です。
 墨の湯はその名の通り,珍しい黒いお湯です。
 薄墨色のお湯に黒い湯の花が漂っています。もちろん源泉掛け流しです。
 泉質は,含硫黄 −ナトリウム− 塩化物・炭酸水素塩温泉(硫化水素型)(中性低張性高温泉)です。源泉温度は,52.6℃ですが,ぬる目に感じました。
 混浴です。(女性タイムあり)
浴室2

 混浴の「平家隠れの湯」「御所の湯」です。
 リニューアルされて綺麗です。
 どちらも御所の湯源泉です。天候によって色が変化するこの源泉は,「五色の湯」とも言われています。
 この日は,美しいエメラルドグリーンの濁り湯でした。
 泉質は,分類上,墨の湯と同じ含硫黄 −ナトリウム− 塩化物・炭酸水素塩温泉(硫化水素型)(中性低張性高温泉)ですが,見た目は全く異なります。源泉温度は,50.9℃で,冬でも快適な熱めのお湯です。

 

 
 「平家隠れの湯」「御所の湯」から外に出て石段を数段降りたところにある見晴らしのよい露天風呂,「岩の湯」です。
 眼下には,「元館泉」,渓流を眺めながらの雪見露天は,最高です。
 個人的には,ここが一番気に入りました。3回も入ってしまいました。
 それぞれの浴槽の湯口には,コップが置いてあり,飲泉できます。硫黄臭たっぷりで決して美味しくはありませんが,とても体によいそうです。

 

浴室3

 こちらもリニューアルしたてで綺麗な家族貸し切り風呂「藤の湯」です。
 4人家族でも余裕な広さです。
 入り口に入浴中の札をかけて,いつでも空いているときに自由に利用できます。
 無料で何度でも利用できるというのは,素晴らしいです。
 この他,女性専用の内湯「高尾の湯」,露天「子宝の湯」があります。

夕食

 夕食は部屋食です。
 牛鍋,ニジマスの南蛮漬け,刺身(マグロ,エビ,ハマチ),カニ・イカ・キノコのマヨネーズ和え,もずく酢,生湯葉のサラダ,湯葉の茶碗蒸し,フルーツ(苺とメロン),すまし汁とお新香と,満足の10品でした。
 冷蔵庫のビールは,スーパードライ中瓶(630円)です。
 オリジナルの日本酒などもありましたが,高くて手が出ませんでした。

朝食

 朝食も部屋食です。
 温泉旅館としては,一般的なものですが,朝から豪華な食事は必要ないので十分です。
 ハムと線キャベツ,温泉玉子,しゃけとわさび漬け,明太子おろし,きんぴら,沢庵と梅干し,海苔とナメコ汁です。
 山の宿らしさはありませんが,美味しくいただきました。
 御飯は希望で温泉粥に変更できるそうです。

塩原元湯

 手前から「ゑびすや」「元泉館」,奥の高台が「大出館」です。

所在地:〒329-2922 栃木県那須塩原市湯本塩原102
電話:0287-32-2438
料金:休前日2人10650円(平日8550円)
HP

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塩原元湯「大出館」(2014年2月1日宿泊)