久しぶりの遠出です。
米沢周辺の温泉を巡るのんびりドライブです。
早朝,常磐道から磐越を通り,東北道を走ります。
福島飯坂ICで降りて,米沢方面へ向かいました。
目指すは,秘湯の一軒宿,五色温泉「宗川旅館」です。
山の中の一軒宿,周囲には山以外に何もありません。
林道沿いにはニホンザルも出没しました。
洞窟風の内湯は,柔らかなお湯で心地よい。
入浴客は誰もいないので静かにお湯を堪能できました。
源泉は熱めですが,湯船が広いのでぬるく感じました。
ナトリウム・カルシウム-炭酸水素・塩化物泉
45.9℃。pH=6.4
行き止まりの宗川旅館から引き返します。
JR峠駅を目指します。
これがまた道路が狭くとんでもない悪路。
やっとの思いで駅前にある力餅で有名な「峠の茶屋」に着きました。
お腹が空いたので昼食です。
ここ以外に本日,食事ができるところはありません。
10個入りの力餅を食べきる勇気がなかったので,お雑煮を注文。
850円。滑らかなお餅が4個入って,胃に優しい感じです。
峠駅周辺にほとんど人家はなく,普通列車が朝晩に停車する無人駅です。
峠駅は,山形新幹線開業まではスイッチバックの駅として有名だったそうです。
現在は,駅の施設全体がスノーシェルターで覆われて独特の雰囲気を醸し出しています。
ホームへ行くには,警報機と遮断機付きの構内踏切を渡る必要があり,爆音とともに新幹線が通過するので,何だかとても危険を感じます。
今でも力餅の立ち売りは続いていますが,スイッチバックの頃ののんびりとした情緒はなくなってしまったのではないでしょうか。
お腹も満たされたところで,姥湯温泉に向かいます。
これがまたとんでもない悪路。
途中に滑川温泉がありますが,行き止まりの姥湯温泉まで山以外何もないところです。
ほとんど姥湯温泉の私道と言ってもよい林道です。
途中の道路標識には笑ってしまいました。
車の燃費が目に見えて悪化します。
やっとの思いで行き止まりの姥湯温泉「枡形屋旅館」に着きました。
紅葉が見事です。
硫化水素でむき出しになった岩肌に,赤や黄色の別世界が広がります。
雄大な景色の中の露天風呂。
最高です。
はるばる来た甲斐がありました。
宿泊できないのが残念です。紅葉シーズンは1人泊は受け付けないそうです。
渓流に面した露天風呂は,見事な景観でいつまでも眺めていても飽きません。
シルキーブルーのお湯は適温で,掛け流し。
2つの露天を行ったり来たり。
のんびりゆっくり過ごしました。
単純酸性硫黄泉。
源泉温度51.1℃。pH=2.5。
引き返して,今夜のお宿,滑川温泉「福島屋旅館」に到着。
湯治場の雰囲気たっぷりの秘湯の一軒宿。
食事少なめプランで1泊2食付き12442円。
渓流に面した露天風呂,広々とした混浴の内湯が秀逸。
消しゴムのかすのような湯の花が舞っています。
温泉に浸かっては,ビールを飲むのを繰り返します。
蒲団の中には,昔懐かしい湯たんぽがありました。
何だかほっとする山の中の湯治場です。
電気は,水力の自家発電。
灯りが少なめで薄暗い館内は,妙に落ち着きます。
含硫黄-ナトリウム・カルシウム-炭酸水素塩・硫酸塩泉。

2日目は,小野川温泉を目指します。
途中,JR板谷駅に立ち寄ってみました。
駅近くに人家が多少あるものの,峠駅に似た雰囲気の駅です。
この駅も,かつてスイッチバック駅であったころポイントを豪雪から守るために設置されたシェルターがあり,その中にホームが置かれています。
踏切の警報音が鳴り,山形新幹線が通過していきました。

小野川温泉では,最初に共同湯の「尼湯」に入りました。
風情のある小さな温泉街の中心にあります。
券売機で入浴券(200円)を買って,脱衣ロッカーに券を表示しておくシステムになっています。
男女別の浴室には,5人ほどが入れる横長のタイル浴槽がひとつのみ。
無色透明で硫黄のタマゴ臭がほのかに香りいい感じです。
消しゴムのカスのような湯の花が,大量に舞っています。
かなり熱めで,湯量も豊富。
朝からとてもいい気持ちです。
含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物泉(硫化水素型)。
源泉温度80.3℃。pH=6.9。
温泉街は人通りも少なく,落ち着いた雰囲気。
とても好感を持ちました。
続いて,温泉街から少し離れた,大樽川を渡った川岸にある小町の湯に行きました。
こちらは,露天風呂のみの共同浴場になっています。
塀が高いので,開放感がないのが残念です。
料金箱に200円を入れて,入浴するようになっています。
露天風呂は岩風呂で,7〜8人が入れる広さ。
源泉は,尼湯と同じく協同組合の4号源泉です。
口に含むと,塩味の出汁がきいた硫黄臭がいい感じです。
小野川温泉には,もう一つ,滝の湯という共同浴場があるのですが,混んでいるようなのでパスしました。
小野川温泉をあとに,米沢市街に戻ります。
クラフトビール醸造所,極楽麦酒本舗を訪れました。
ここで湯上がりのビールといきたいところですが,車の運転があるので瓶ビールを購入。クーラーバックには,しっかりと滑川温泉で凍らせた氷が入っています。
今夜のビールの準備に,抜かりはありません。

パート2へつづく

141.米沢周辺(2017年10月12日〜14日 2泊3日)パート1