125.禁漁の昭和村へ(2012年6月30日〜7月1日)


 金曜日の夜,昭和村へ向け,車を走らせる。
 例年なら,最初に竿を出すのは,野尻川のどこにしようか,ワクワクしながらの深夜走行。
 今年は少し勝手が違う。
 セシウム包囲網により,野尻川はもちろんのこと,奥会津のほとんどの河川が禁漁になってしまった。
 昭和村は,全ての河川が禁漁となってしまった。
 昭和村周辺で釣りができるのは,南会津東部漁協と西部漁協の一部だけになってしまった。
 会津田島から,いつもの国道400号ではなく,289号線で南郷へ向かう。

 地図で探した川は,富沢川。伊南川の支流です。
 初めて行く川はワクワクします。
 野尻川のどこへ行こうか考えるのも楽しいけれど,初めて行く川を考えるのも楽しいものです。
 有名河川は期待できないだろうと判断し,富沢川を選択しました。
 富沢川は,思ったよりも堰堤が連続し,ポイントには事欠きません。
 しかし,ここというポイントは全くアタリがありませんでした。

 新しい足跡があります。
 先行されたようです。
 つまらないところで,なんとか骨酒用のイワナをキープし,富沢川を諦めました。
 渓相がよかっただけに残念です。
 イワナは放流魚のようです。
 そのあと,鹿水川に行きました。
 川沿いの国道401号を走れば昭和村です。
 釣りながら昭和村を目指します。
 釣れたイワナは全てリリースサイズでした。

 大物の予感は全くないので,釣りを諦め観光です。
 南郷の「ひめさゆりの里」高清水公園ひめさゆり群生地に立ち寄りました。
 花はちょうど見頃でした。入園料300円分の価値はあると思います。
 ほとんどの観光客が老夫婦で,ひとりで来るのは場違いな感じがしました。
 そうです。野尻川が禁漁でなければ,こんなところに来ることはなかったのです。
 禁漁のおかげで美しい風景に出会えたと考えることにしたいと思います。

 新鳥居峠を越えれば,昭和村です。
 玉川の上流を下ります。
 玉川の美しい流れを見ていると,つい竿を出したくなってしまいます。
 禁漁が残念でなりません。
 玉川渓谷の流れを見ながら,懐かしき昭和村にやって来ました。
 中島屋旅館にて,しばし休憩。
 昭和村も夏の暑さです。

 することもなく,村内を散策。
 昭和温泉で汗を流す。
 あとは,中島屋旅館でひたすらビールです。
 湯上がりのビールは最高です。
 ここからは,いつものパターンです。
 「やまか食堂」で昼食です。
 ソースカツ丼が有名ですが,私の一押しは,タンメンです。塩バターと自家製麺が絶品です。
 ほぼ1年ぶりのタンメンに満足し,あとは昼寝です。

 画像は,野尻川の様子です。
 釣りができないのが本当に恨めしい。
 解禁日の夢を見ながら,昼寝をするのも,それはそれでいいかもしれません。
 いい気持ちで寝ていたところ,宿のおじちゃんに起こされました。
 宴会の始まりです。
 まだ,外は明るい5時です。
 おじちゃんは,いつも昼飯は食べないので夕食が早いのだそうです。
 こっちは,昼食後に昼寝なので,まだお腹が空いていません。困ったことです。

 とりあえず,ご飯は抜きにして,山菜料理でビールです。
 泊まり客はひとりだったので,おじちゃんと10時過ぎまで飲んでしまいました。
 久しぶりのイワナの骨酒も美味しかったです。
 宿の前を流れる水路には,ホタルが飛び交い,昭和村を十分堪能しました。
 釣りができなくても,中島屋旅館はいいところです。
 ちょっと褒め過ぎかな。できれば釣りもしたいです。

 2日目。
 いつもなら朝飯前に釣りに行くのだけれど,釣りができないので,八町温泉の朝風呂に行きました。
 これも,いつものコースです。
 ここに来るだけでも価値のある,素晴らしい温泉です。
 夕べの飲み疲れも一気に解消です。
 ちょっと褒め過ぎかな。できれば釣りもしたいです。

 帰り道,矢ノ原湿原に立ち寄り,代官清水を汲みました。
 昭和村の美味しい水です。
 こんなに水が美味しいのに,イワナがダメというのはどうにも納得いきません。
 想定外の天災は,誰のせいでもありません。
 いや,悪いのは人間です。
 静かに解禁日を待ちたいと思います。

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