115.天気の神は非情です(2010年9月11日〜12日)

 金曜の夜,茨城を出た。
 気持ちが焦っていたのか,夜明け前に昭和村に着いた。
 新月なのだろうか,昭和村は暗闇の中だ。
 空を見上げると,満天の星。
 まるでプラネタリウムのようだ。
 こんなに星がたくさんあるなんて思ってもみなかった。
 茨城では,数えるほどしか星は見えない。
 夜でも明るいし,だいたい空気も濁っている。
 美しい星空を眺めながら,夜明けを待つ。

 
 最初に狙いを定めた野尻川のほとりには,すでに釣り人の車が止まっていた。
 諦めて,次のポイントへ移動する。
 大イワナを狙ったが,掛かってくるのはハヤばかりだった。
 他に移動しても,釣れてくるのは,ハヤばかり。餌も,どんどんなくなってくる。
 また場所を移動すると,別の釣り人がいる。ゴールデンウイークのような釣り人の多さだ。
 この分だと,イワナの骨酒にありつけない。
 本流の大物を諦め,沢に入る。
 沢なので,最大でも26センチだった。とりあえず,骨酒はキープ。
 2日前に台風が接近したため,雨が降って増水したそうだが,今日はすでに渇水状態だ。
 台風が予定通り,福島県を直撃してくれればよかったのだけれど,南下して太平洋へ抜けてしまった。
 天気ばかりはどうすることもできない。
 今日の6時から,玉梨スノーシェッドが通れるようになったそうなので,行ってみた。
 スノーシェッドと野尻川の間に,仮設の道路ができていた。
 完全復旧までには,相当時間がかかりそうな印象だ。
 まだ夜間は通れないが,地元の人にとっては,待ちに待った開通だ。
 せっかく玉梨まで来たのだから,ちょっと竿を出してみる。
 やっぱり掛かってくるのは,ハヤだった。
 持参の餌,ドバミミズも残り5匹になってしまった。
 ハヤは,餌取り名人だ。
 暑くなってきたので,釣りは終わりにし,残りの餌は,次の日の分にとっておくことにした。
 いつものように,昭和温泉で汗を流し,中島屋旅館にチェックイン。
 空を見上げると,夏空だ。
 今年の猛暑には,ほとほと参っている。
 やたらにハヤが多いのも,異常気象のせいだろうか。
 今年の暑さは,異常気象ではなく,これからは温暖化でずっとこの傾向が続くという人もいるけれど,昭和村だけは涼しい夏であってほしい。

 おきまりのパターンで,午前中は部屋でビール。
 持参の小樽麦酒,ウエストコースト,モルツ・ビター,麒麟秋味で飲み比べ。
 お昼は,斜向かいのやまか食堂でラーメンを食べ,午後は昼寝です。
 一日中釣りをする釣り人が多いようですが,私はこのスタイルが一番好きです。
 楽しみ方は,人それぞれです。

 あんなにたくさん釣り人を見かけたのに,宿泊客は3人だけでした。
 道路がよくなって,日帰りの人が増えたのでしょうか。
 釣ってきた魚は,骨酒,塩焼き,唐揚げ,すべてサービスの中島屋旅館に泊まらないのは,もったいないです。
 宿のおじちゃん,おばちゃん,釣り客との楽しい話で盛り上がり,ついついビールを3本も飲んでしまいました。もちろん,ビールはサービスではありません。
 2日目の朝は,雨でした。
 残りの餌,5匹でハヤをよけながら,イワナ2尾とヤマメ1尾を釣りました。
 餌がなくなったところで,雨も激しくなってきたので,八町温泉「亀の湯」で朝風呂に入りました。
 通行止めでしばらく来ていなかったので,久しぶりです。
 改めて,泉質の良さに感動しました。
 
 
 雨はますます激しくなり,強烈な雷になりました。
 野尻川も見る見る増水しています。
 イワナやヤマメも元気を取り戻していることでしょう。
 2日天気がずれていたら,釣果もよかったかもしれません。
 天気だけは,どうすることもできません。
 豪雨の中,昭和村を後にして帰宅すると,茨城は相変わらずの蒸し暑い夏空でした。

「イワナ釣り」メニューに戻る