No.1811 ハービストン・ザ・リッヂ・ペールエール(スコットランド)

 商品名は大陸プレートの中間地点「Ridge(尾根)」に由来し,英国とアメリカの二つが合わさるイメージで,両国のホップを使用したペールエールです。グラスに注ぐと,色はディープゴールド。口に含むと,刈りたての芝生や,松の樹脂のような強烈なビターホップが襲ってきます。味わいは,風船ガムのスムーズな甘さとエステルを感じます。ドライなグレープフルーツ系のビターホップが心地よいです。モルトの香ばしさとオレンジを思わせるフィニッシュが優しく残ります。久しぶりのヒットです。私にとっては,完璧な1本です。アルコール度数5%。330ml480円。東京のウィスク・イーが輸入しています。
(2014.6.26.)

No.1812 レフトハンド・ポールスター・ピルスナー(アメリカ)

 販売店解説より。「ピルスナーは世界中で最も飲まれるビールスタイルでありながら,その味わいはシャープでシンプル。それ故に醸造所の技量が問われるスタイルであるとも言えます。レフトハンドが放つ‘北極星’の名を持つこのビールは,本物のピルスナーの味わいを求め彷徨うビール愛好家達を導くように光輝く存在となることでしょう。しっかりとしたモルトの甘みとホップのシャープな苦みを携え,口当たりは煌めくダイヤモンドダストの様にクリスピーで繊細。ただのピルスナーでは終わらない仕上がりです。」とのことですが,ピルスナーにあんまりお金をかけたくないなあというのが正直なところです。アルコール度数5.5%。355ml500円。
(2014.6.27.)

No.1813 レフトハンド・サートゥース・エール・ナイトロ(アメリカ)

 炭酸ガスの代わりに窒素ガスを注入したナイトロ・シリーズの1本です。サートゥース エールのナイトロ版で,アメリカン・スタイルESBで仕上げられています。サートゥースのナッティで香ばしい味わいをこれ以上なくスムースな口当たりに変化させています。ゆっくり静かにジワジワと立ち上がる泡の独特な様子や,スムースでマイルドな口当たりは他には無い美味しさです。ESBの美味しさとホップのハーバルなアロマの融合,癖の無い飲み易いスタイルです。アルコール度数5.3%。355ml500円。宇都宮のAQベボリューションが輸入しています。
(2014.6.28.)

No.1814 ハービストン・ブロークン・ダイアル・アンバーエール(スコットランド)

 香ばしいロースト麦芽が特徴のアンバーエールに,トロピカル系の芳香が印象的なホップ,シムコーのアクセントが絶妙です。グラスに注ぐと,アップルシナモンの心地よいスパイス,パパイヤ,マンゴーの南国フルーツの香りが漂います。口に含むと,香ばしいクッキー,ウッディで樹皮のようなスパイス,レモンピールのような爽やかなビターホップが心地よいです。ミントのような清々しさが鼻腔をくすぐり,クリスピーなビターチョコレートを思わせるロースト感が長く続きます。なかなかの傑作です。アルコール度数4.5%。330ml465円。東京のウィスク・イーが輸入しています。
(2014.6.29.)

No.1815 スティルウォーター・ホワイ・キャントIBU(アメリカ)

 空前のIPAブームが世界中で巻き起こっているそうです。私もそのブームに乗っかっている一人です。IBUばかりを追い求める流れにウンザリしてしまったブライアン氏が,「IPAは造らないの?」という質問に答える形で造られた,IPAらしさを表現しながらもIBUを低く仕上げた皮肉めいたビールです。IPAというスタイルへの敬意は損なうことなく,しっかりとIPA本来の美味しさを表現しつつ,苦味を抑えてよりドリンカブルで綺麗な口当たりで,フルーティに程よいキレを伴う味わいです。これがブライアン氏にとっての美しく洗練されたIPAの姿のようです。かなり個性的な傑作です。アルコール度数5.7%。355ml685円。
(2014.6.30.)

No.1816 ピッツァポート・スワミズIPA(アメリカ)

 蛇使いならぬビール使いが,笛を吹いてビールの蛇口を壺から出すという楽しいラベルでインパクト抜群なIPAスタイルの缶ビールです。ファンキーなラベルとは裏腹に,醸造所のフラッグシップを担う主力ビールとなっています。ピッツァポートらしい,ホップアロマを効かせたウエストコースト・スタイルのIPAで,適度に重いボディで構成され,飲み応えは抜群です。ホップの強烈な苦みが心地よいです。傑作ですね。アルコール度数6.8%。473ml690円。横浜のナガノ・トレーディングが輸入しています。
(2014.7.1.)

No.1817 ドッグフィッシュヘッド・ナマステ(アメリカ)

 ドッグフィッシュ・ヘッド醸造所が造る異色のベルジャン・ウィートエール・スタイルです。「ナマステ」は,インド周辺で使用されている挨拶の言葉でコンニチワ,オハヨウ,コンバンワ,サヨウナラと何にでも使えるとっても便利な言葉です。このビールは,ベルギーの名門「ドゥリーフォンティネン」からインスパイアを受けて造られたウィートエールで,レモンピールやオレンジのフルーティな風味に,コリアンダーのアクセント,程よい酸味で構成されています。ホップの苦みが強いのは,アメリカ流ということでしょうか。アルコール度数4.8%。355ml575円。札幌のえぞ麦酒が輸入しています。
(2014.7.2.)


No.1818 ウェルズIPA(イギリス)

 久しぶりのイギリス・ビールです。グラスに注ぐとマホガニーカラーの液体にパブエールのような細かいカーボネーションが湧きあがり飲み気を誘います。穀物のような芳ばしい香りがあり,イングリッシュIPAらしくホップフレーバーは控え目です。アメリカンIPA好きとしては物足りないですが,イングリッシュIPA好きには,たまらない美味しさだと思います。飲み心地もイングリッシュエールらしくマイルド&スムースでゴクゴク,スイスイ飲めてしまいます。350mlでは満足できないのを承知で500ml缶にしたのかなあと思います。副原料にコーン・米を使用しているので,スッキリしています。525円。
(2014.7.3.)
No.1819 ヴァィツェン(熊本クラフトビール)

 熊本市の地ビールです。今回は,福島県昭和村の釣り宿「中島屋旅館」にて,飲んでいます。九州のビールを東北で飲むというのも,今の時代だからできる技です。中身は,ドイツのヴァィツェン・スタイル。温泉に入って,昼間から飲むビールなので,美味しくないはずがありません。ヴァィツェン・スタイルは,銀河高原ビールに代表されるように,地ビールのスタイルとしては,ごく一般的なスタイルです。差別化を図りたいところですが,取り立てて個性はありません。その分,安心して飲めるバランスのよい上品なビールと言えると思います。アルコール度数5%。330ml。
(2014.7.5.)

No.1820 ブリュードッグEXP366IPA(スコットランド)

 IPA is Dead シリーズの1本です。このシリーズは,IPAの命の源とも言えるホップそのものの魅力に着目し,複数種類を使用するのが主流のホップを敢えて1種類で仕上げ,その品種毎の魅力を伝えようというビールを飲みながら勉強も出来てしまう面白い企画です。今回のホップは,アメリカ産の新しいホップで,HBCの派生形エクスペリメンタル366を使用しています。グラスに注ぐと,色はクリアアンバー。口に含むと,ラズベリーやグレープフルーツ,ミントのミディアムホップビター。松の樹液やナッツの香ばしさが感じられます。さすが,ブリュードッグ。旨いです。アルコール度数7.2%。330ml600円。東京の,ウィスク・イーが輸入しています。
(2014.7.6.)

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199.本日のビール(165)No.1811〜1820